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概要

70年の航跡

「いつかはCROWN」ならぬ、いつかはCAPE初めての巨大船(ケープサイズ)LOWLANDS PHOENIX誕生平成17年に竣工したケープサイズ船PACIFIC OAKは、オーストラリアから新日鐵の各製鉄所へ鉄鉱石を運び、大分製鉄所へも入港活躍中。平成19年3月、LOWLANDS ERICA竣工。当社の自動車船の荷主でもあるトヨタ自動車に、「いつかはCROWN」という有名なCMがあったが、当社も船主業として、「いつかはCROWN」ならぬ「CAPE」、すなわち遠く喜望峰を回るような17万トン級の大きな船を持ちたいという思いがあった。しかし当時は、日本の用船社や荷主はじめ、誰も当社がそんな巨大なケープサイズ船を造る実力があるとは思わず、まったく相手にされなかった(最大5万トン程度の船しか所有していなかった)。そんな中、当社の思いを実現してくれたのは、国内の企業ではなく、欧州ベルギーの用船社であった。当初この用船社が、海外では名もない津久見の一船主をどこまで信用してくれるかわからず、商社のロンドン駐在員に、用船社長の自宅まで押しかけて当社が鉱区を所有している話をしたり、鉱山の写真を見せたりしてもらい、ようやく信用を得た。のちに、このベルギーCOBELFRET社の社長夫妻以下一行が来社。由布院温泉に滞在して、当社の船ならず津久見の石灰山を見学し、感動して帰国した。平成19年8月、OCEAN COMMANDER竣工。当社海外(中国・上海)建造第1号船である。この船をもって総載貨重量トン数100万トン超を達成した。総載貨重量100万トン超を達成平成17年(2005)10月、当社最大規模の撒積船PACIFIC OAK(D/W203,212トン、パナマ籍)を建造し、就航した。平成19年(2007)3月には、撒積船LOWLANDS ERICA(D/W176,862トン)を建造。さらに、同年8月には撒積船OCEAN COMMANDER(D/W174,142トン)を建造、この船をもって総載貨重量トン数100万トン超を達成した。続いて平成19年11月には、コンテナ船NYK NEBULA(D/W65,922トン)を建造、就航した。このように2000年代に入って建造した10隻にのぼる宮崎産業海運の船が、世界7つの海を駆け回り始めたのであった。「新日鐵大分に入る大型船を造りたい」長年の夢がPACIFIC OAKで実現宮﨑昇一郎副社長は、出張のため大分港からホバークラフトに乗るたび、大分製鐵所のシーバースに着岸した大型船を横目に見ながら「いつかここに入るような船を造りたい」という思いがあった。その思いを実現したのが、平成17年(2005)に建造したPACIFICOAK。D/W203,212トンのケープサイズ船で、オーストラリアから各製鉄所(大分・名古屋・君津・八幡)へ鉄鉱石を運んだ。大分港で見る勇姿は感動的だったという。PACIFIC OAKは大分製鉄所で製作した厚板で造られた船で、OAKの命名は、ドングリの木(OAK)を大分製鉄所に80万本植えていたこと、O(大分)・A(愛知)・K(君津)、OITA AND KIMITSUなど、いろいろな思いが込められたものであった。ちなみに、船は処女航海で初めて入った港でパーティーを開くのがならわしであるが、この船は大分・名古屋・君津・八幡の4つの港でパーティーが開かれたというほど記念すべき船であった。33